戦国大名のぶさん

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■武蔵野文化堂制作工房／お人形のページ／戦国大名のぶさん

didの戦国武将シリーズから発売されている織田信長でありますが、のぶさんは武将というよりも大名でしょう。もちろん買っちゃいました。それはいいんですが似てません。いや、似ているかどうかは本人を見た事が無いので何とも言えないのですが、肖像画とかを見る限りでは、どれにもかすっていません。高い買い物ですし自分的に納得しようと一所懸命試みたのですが、やっぱり納得がいきません。仕方が無いので作る事にしました。しかしこのサイズでしかも男で、しかもおっさんを作るのは始めてです。似ないかもしれません。なのでイメージの中にある信長像の中でも最低限これは押さえたいという最終ボーダーラインを設定する事にしました。「月代（さかやき）」「らっきょう顔」「おちょぼ口」。まあこれはなんとかなったと思います。

その他のぶさんに関する記録としましては宣教師や古文書などの伝承から「声が甲高い」「ヒステリー」「お調子者」「強い者には下手に出る」「あだ名をつけるのが好き」「女踊りとコスプレが好き」「時間に細かくうるさい」「派手好き」「新しモノ好き」「型破りな割に常識は押さえている」「よく陰口を叩く」「コレクター・マニア・おたく」「勉強好き」というな内容が読み取れ、それとなく気品があって都会的な人物像が浮かんできます。（どう読み取ったのだ…）ともあれ、のぶさんは武将ではなく大名家の坊ちゃんなのでそんなに武辺ものな顔つきでは無かったと考えられます。これらの人柄を総合しながら妄想すると、ほんとよく解らなくなりますが、どうもイマドキのメディアを席巻している荒々しいイメージとはちょっと違うだろうという感じで造形を進めてみました。。

まあどうでもいいんですが、現代のドラマやゲームに登場するのぶさんのイメージになんか変な違和感を覚えて仕方ないのです。私が最初に見たのぶさんは社会の教科書の中の眉間にしわを寄せた怒りっぽい感じのおっさんです。イマドキでは茶筅まげが定番となっているヘアスタイルにしても若い頃にちょっと結っただけでは無いかという憶測の域をでていません。そりゃ誰だって若い時は変な髪型しますよ。とくに不良を従えて街をかっぽしていたのぶさんなのですから。しかし大名となったからには、その社会の中でおかしくない格好をしないとマズい事がいろいろありそうです。ちゃんとしていたのではないかと。…とは言ってものぶさんが月代をきちんと剃るのは公式な場に出る時だけで、あとはぼさぼさに伸ばしていたという話もあるそうです。

のぶさんのベースはセメダイン社のエポキシパテ木部用で作られてます。正月に実家にいると非常に田舎なために遊びに行く事もできず、暇なので作りました。そう言うとすごく適当なカンジで作り始めたように言ってますが、ちゃんと東京で材料を買って行ってプランも練って用意周到にしてあったことは付け加えておきます。この大きさではちょっといじるだけでダイナミックに変化してしまうので、若返ったり急に歳を取ったりと大変でした。最後のディテール再現には手慣れたポリパテを薄く塗りカッターと耐水ペーパーで仕上げました。フィニッシュにはボークス様のとこの肌色サフェーサーを使ってます。

のぶさんのシリコーン型。この図からも判る通り、マゲ部分は取り外しが可能であり、did社の兜が冠れる仕掛けになってます。しかも穴は極力深めに作ったのでぽろぽろと取れないようにはなってます。そのはずです。あまり強調するのは控えますが。湯口はなるべく大きく取るように心がけましたが、その分、削った痕を消すのが大変になりました。一長一短ですね。

ちょっと濃いめの塗装をしてしまい男らしくなり過ぎたのぶさん。これは塗装のし直しでしょうね。キャストの塗装は全然慣れておりません。そのとなりが井伊直政くんです。わが遠州のヒーローです。彼の紹介に関してはまた別の機会に譲ります。そしてその隣が武田信玄先生です。いったい何だかわかりません。いや…人間の形状じゃありません。まあこれからです。このように余ってしまい無駄になるパテがもったいなくて少しずつ塗り固めて大きくなったら別の造形物をつくるケチケチ作戦もたまにやります。この物体Ｘが信玄先生に変貌するのはいつの日になることやら。

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